PEN F 分解記 その1
2018年 05月 02日
付属のレンズもすごく油が粘っていて、これでは絞りを動かすのに力がいることでしょう。
今回はいつもと違って5,000円オーバーの高額な出資をしておりますので、なんとしても失敗しないように気合を入れていきました(^^)
何度も言っていますが、ひとつひとつの作業ごとに、写真を撮って記録しておくことは必須です。
直前のことでも、どうだったのかすぐに分からなくなりますから(笑

とりあえずトップカバーを開けました。
3本のネジとクランクを外すだけで簡単にカバーが開きますが、露出計内蔵のFTはタイマーなどがあって、ちょっと外すのが難しいようです。(しかも、ネジが逆ネジだとかじゃないとか…)
青い線は、フラッシュの同調用のケーブルですね。
カバー側のネジを緩めてあげれば、簡単に外れます。

やはり、モルトが悪さをしておりますねぇ~(泣
このモルトってのは、経年劣化でボロボロになっていることが多く、ファインダーのプリズムに散らばって見えにくくするだけでなく、ときにはカビの温床にもなる最悪な部品です。
50年前なので強くはいえませんが、とてもカメラに使用する部品ではないと思います(怒
どんなカメラにも遮光目的で使用されている重要部品ではありますので、まずはこれを清掃することから始めなくてはいけません。
このPEN-Fにもたくさん使われていますので、根気よくやらなくてはいけないのですよ…。

それと、PEN-Fの重要なパーツであるのが、底部にあるこのミシンのボビンにも似たパーツ。
このパーツがとても重要で、シャッターが切れない原因はここに問題がある場合が多いです。
実は、テンションがかかっていて、マウント部を外したとたんにテンションが無くなります。
このテンションを使ってシャッター、さらにはレンズの絞りも作動させますので、超重要な部品です。
組み上げた後に再度、テンションをかける作業が必要になりますが、このネジは逆ネジですので注意が必要です。
ボビンの小さな穴にピンセットをさし、時計回りに回転させ、テンションがかかった状態で中央のネジを締めます。
1周では強すぎますので、3/4周ぐらいがいいかと思います。
調整後にレンズをつけての確認が必要ですが、レンズの絞りが粘っていたり、シャッター関係の部品が粘っていると、想定以上のテンションをかけてしまいテンションバネを切ってしまいます。
こうなると修復不可能になりますので、まずは各部を清掃して抵抗因子を取り除きましょう。

前面のネジ5本を外せば、簡単にマウント部を取り外せます。
本体側にはシャッター機構が残りますが、基本的には触らないほうがよさそうです。
汚れていれば清掃し、軽く注油してあげる程度で問題ありません。
Fは、2度巻き上げでシャッターが切れるようになりますので、チャージしたら底部の突起を押してあげると、この状態でもシャッターの動作を確認することができます。
ここにマウント部を取り付けるときに、なかなかうまく噛み合わないことがありますが、絶対に力任せに押し込んではいけません。
部品が少し曲がるだけでも動作不能のジャンクに成り果ててしまいますので、うまくいかないときは一息おいて、ゆっくり考えてみることが大切です。焦りは禁物ですよ(^^)
あくまでも個人的な感想にはなりますが、やってみると意外と出来ちゃうものだと思います。
たしかに精度が狂うとかいわれたらそのとおりかもしませんが、基本的にはすべてのパーツが収まるべきところに収まるようになっています。
組み立てを簡単にすることも、生産効率の面で考慮されているでしょうから、それでなんとかなってしまうのかなとは思います。
ですが、あくまでも手馴れた人がマニュアルを元にやっている話ではありますから、それがない私達素人は、一つ一つ記録しながら再現していくしかありません。
ちゃんと記録して組み立てれば、不器用な私でも出来るのですから、誰でもやる気さえあれば出来ることだと思いますよ(^^)
appledrink2411
by appledrink1124
| 2018-05-02 10:00
| Film Camera
|
Comments(0)